2023年春アニメ感想(tierS)

春アニメも終わり夏アニメが始まっていますが、春アニメの感想を載せようと思います。

視聴している作品をすべて観終わらせてからまとめて感想書こうと思っていたのですが、忙しく全て観終わるのが7月中旬〜後半になりそうだったので先にtierS、最もおもしろい・素晴らしいと思った作品群だけ感想を投稿しようと思います。残っている作品は多分どれだけ伸びてもtierSとまではいかないだろうなと思いましたので先に(そうなったらしれっと追記します)。

春に自分が視聴した作品数はだいたい30本で、そのうちtierSアニメは3本、上位3作品は次の通りです:

この順に感想を3つ載せます。

 

ところで余談なのですが、今季話題をかっさらっていってオタクメディアの最上位に位置づけた【推しの子】ですけど、自分はこれ観ませんでした。大体どんなアニメでも観るんですけど、自分が唯一苦手としているジャンルが「芸能界・メディア」あたりなんですよね。芸能界とかメディアとかって現実世界でも見てわかるように人間のヘドロみたいな汚いところを詰め込んだ感じがあって、話もギスギスしがちで。アニメ観ていて感情移入してしまうタイプからするとこういうのは視聴していてストレスが溜まるのでそれを自衛すべく見送りました。

あと、鬼滅も観ていません。噓だろ?と言われるのですが鬼滅は1期の2話くらいで視聴が止まっています。

今季自分が視聴した作品でいうとやたら青春恋愛モノと顔パンパンモノが多かったなという印象です。顔パンパンモノというのは、主人公がめっちゃ強くてちょっとしたことで主人公にオチる激チョロ女複数によるハーレムみたいなのが展開される恋愛モノとはまた違う萌えに振り切ったような作品のことです。今回載せるtierSには顔パンパンモノはありませんが。

余計な話はこの辺にして感想を載せます。

 

以下、感想(ネタバレ大):

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tier S

1.『君は放課後インソムニア

本当に素晴らしいスーパー青春恋愛アニメ。僕の中での今季1位はこの作品です。美術面のみならず演出や心情の変化の映し方とかすべてが美しい作品です。

学がないものでinsomniaという英単語をこの作品で初めて知りました。その名の通り不眠症に悩まされる丸太くんと同じく不眠症の伊咲ちゃんが秘密を共有しながら天文部として色々活動していくもので、まずこのお互いの秘密を共有しているという時点で意識し合う関係になるのは自然ですよね。臨海学校の夜抜け出したり花火大会だったり、この手の恋愛アニメにはよくあるものではありますがその一つ一つが丁寧で突き抜けて良い回です。4話以降ずっと満点。これ言うと怒られるかもしれませんが、この作品の良いところは丸太くんは別にカッコいいわけじゃないし伊咲ちゃんも特別可愛いわけではないだろうという点なんですよ。アニメだから伊咲ちゃん結構可愛くなっているけど、多分現実にいたら少し田舎くささがあるような可愛さなんですよね。アニメでも髪型とか眉毛とかでちょっと田舎っぽさ出ておりますよね。これが寧ろ良くて、学年一のイケメンでも美少女でもない二人が一緒にいる中で惹かれ合っていくという美しさがあります。こういうのが一番青春なんですよ。観測会が失敗に終わるのはなんとなく展開的に読めていましたが、ここまで観ていると丸太くんにそこそこ感情移入してしまいやはり辛いものがありますね。中見は悪くないよと慰められるわけですが、僕が高校生で主催側だったら全部僕が悪いと自暴自棄になってしまうのもわかります。そこから伊咲ちゃんが探して、迎えに来てくれるところが僕との違いですが。あのエロ漫画でエッチをするために存在するとされる田舎のバス停であんな距離感出されるとそりゃ白丸先輩も勘違いしますよね。

そういえば、数年前YouTubeでSPO○Nというラジオアプリの広告がアホほど流れてきて「眠れるまで、私と、お話しませんか?」みたいなCMに当時イライラしておりましたが、これをそういう使い方されるともう脱帽、全部許した、これそういうマーケティングなん?

10話で伊咲ちゃんの小学生時代がお姉さまにより語られたのがとても印象に残りました。病気を抱えている子をどうしても周りの大人は「かわいそう」と認識して特別扱いするしその空気感は他の子どもにも伝播してなんとなく気を遣われるわけです。運動会で手を繋いでみんな一等賞、みたいなのは当時の伊咲ちゃんにとって本当に悔しかったんですよね。離されてビリになるよりも「かわいそう」で気を遣われる方が何倍も傷つくし、余計なお世話です。そういった過去も踏まえて伊咲ちゃんは誰にも自身の病気について話さなかったのに、丸太くんには完全に心を許して話したわけで、実はもうその時点で告白に等しいところあるよなって話です。あと、関係ないんですけどあのお姉さまのキャラ地味にリアルで良かったです。外ヅラだけ整えて男の前ではキメてるけど家では妹の服勝手に着たりだらしなかったりみたいな、知り合いに心当たりがある。

ここからの夏合宿編はもうずっと最高到達点にいて、11話で丸太くんが眠れなくなった理由を伊咲ちゃんに吐露するシーンからのキスで、これより良い青春恋愛アニメ存在しないと断言してしまいました。この合宿と称した2人の旅行はもうなんか付き合っとるやんとかのレベル飛び越えて夫婦ですやんって話でしたが。親の介入により伊咲が連れ戻されそうになった際、旅の終わりを2人で過ごしたかった丸太くんが「俺に攫われてくれないか」と言ったとき、それでこそ男や!と独り絶叫していました。カッコ良すぎです。伊咲ちゃん的には過保護すぎる親って感じでしょうけどまぁ親御さんの気持ちも全然わかるんだけどね、と思ってしまうのは僕自身が大人になってしまったのがあります。10代で見ていたらなんだよこの親!と文句垂れていた気もする。

てか、このアニメ僕が高校入学直前〜高校入学くらいに放送されていなくてよかった。血迷って天文部に入部していた世界線に突入するところだったので。

 

2.『機動戦士ガンダム 水星の魔女』

2クール目の評価です。本当におもしろい。僕はガンダムシリーズを一切通らずに育ったので今さらガンダム観て楽しめるのかと危惧していましたが今作はとても楽しめました。

後半は本格的に話が展開しだして、完全に母親の洗脳状態にあるスレッタのことを思ってスレッタからエアリアルを引き離したり自らがグループ総帥に立候補したりと奮闘するミオリネですが、彼女のありとあらゆる行動は全部マイナスの結果を生み出し絶望的な鬱展開が加速して素晴らしかったです。人を救うためのガンダム製造を目標に掲げてきたのに自分の行動の結果目の前で多くの人が殺されていく様を目にしどんどん目に光がなくなっていくミオリネが性癖ド真ん中すぎましたね。一方スレッタもスレッタでホルダーをとられエアリアルを失いミオリネからも見捨てられたと思い焦燥していたわけですが、そこからの立ち直りというか前を向く決断に踏み切った件はやや弱く感じました。まぁ立ち直ってはいないのか、別に、吹っ切れる必要なんてないですからね。そういう意味で、今までお母さんからの教義みたいな感じで唱え続けていた「逃げたら1つ、進めば2つ手に入る」ではなく「何も手に入らなくても、今できることを」と発した21話はスレッタの成長を感じ印象に残った回の一つになりました。

そういえば2クール目ではグエルという"漢"の株が上がり続けていましたね。15話で地球での惨状というかそこにいた人たちと関わることで自らの過ちに囚われるばかりでなく前を向くことになったというか、漢なんだわな。1クール目序盤ではザ・カマセみたいな立ち位置にいたのにここまで成長すると思いませんでした。

2クール目1話目に学園にやってきたテロ組織のメスガキみたいなアーシアン2人ですが、開幕早々メスガキムーブが過ぎていて早くどうにかなってくれってイラが溜まっていたので正直14話のラストは笑顔になってしまった。もう一人の方も感動的なノリしだすと見せかけて一発狙撃されて終わりましたね。人が死ぬ時は特段ドラマなんてないですと言わんばかりの感動(?)キャンセルでした。よくTwitterで絵師の方々がエロ画像作成していたあの決闘委員会の黒人女は最後までメスガキみたいなムーブしていて凄かったです。

最終話の決着の付け方が映画ウルトラマンとかグリッドマンユニバース並のパワー技で終わらせていましたが、バッドエンドにならず綺麗に完結したので満足しました。2期最終話サブタイが1期OPの歌詞に加え、2期最終話ラストで1期のOP流れるとドカ湧きしてしまう体質故、漏れなくドカ湧きさせてもらいました。本当におもしろかったです、他のガンダムも観てみようかな。

 

3.『僕の心のヤバイやつ』

王道青春モノとは違うリアルな質感(男子中学生のキモい下ネタノリとか女子中学生のグループでの結束感とか。何かと心当たりがありすぎる)を含んだ恋愛モノ。序盤、1~3話くらいは正直微妙に感じていました。とういうのも、基本的に中高生の青春恋愛モノってガッツリ性を盛り込むことが少なくて淡い感じを演出させてきがちなんですが、本作は市川くんが山田が載ってる雑誌でシコってたりとかクラスの男子がデカい声でキツめの下ネタを発してたりと、それこそリアルな質感を出していたのに最初首を傾げていました。市川があまりにもリアルな陰キャ男子中学生しているんですよね、オタクの皆さんは小中学生のころドラゴンの裁縫セット使ってたり黒地によくわらん英語がビッシリ入ったロンTを本気でカッコいいと思って着てたりとか、ありましたよね。「あ、(LINEの)アイコンリゼロのレムだ🎶」の時本当に謝るから赦してくださいとなってしまった、リゼロ放送時は高校生とかでしたが全然キッズだったので。

3話くらいまでは微妙に感じていました、と言いましたが裏を返せば4話から良くてtier Sに着いたということです。4話で市川が山田を好きだと自覚するシーンや6話で山田から市川への矢印が完全にできあがるシーンあたりから大加速を魅せるわけです。4話と6話以降の全ての話で特大加速して最高でしたね。人が人を好きになるのに決定的な理由が必要という派閥もいますが、この手の青春恋愛モノに関しては、自分だけにちょっとだけ優しいところを見せてくれるとかそういう些細なことの積み重ねで良いと思っています、なんかこの言い方だと山田がチョロい女みたいな感じしてアレだけど。山田の、好きを自覚したらもう止まらないと言わんばかりの猛攻はさすがに観ているコチラの顔がパンパンです。恋する女の子は強いですね。10話のクリスマスデートの回とか市川から「かわいい」って言ってほしくてアタックする山田とか、観ているこっちが爆発しそうでした。このアニメ美術的な演出にかなり凝っていて毎話毎話ラスト5分位の破壊力がとてつもないわけです。

ここから全然どうでもいい話になるのですが、このアニメ観ていて気になったキャラクターにナンパイがいました。彼、中3の年末に女連れてファミレス来てたけど高校受験とかは大丈夫なのだろうか。てか、中学生であんなナンパなヤツいるのだろうか。中学時代に言うならば不良というかヤンキーみたいな友だちはいたけど彼らはそういうのに関しては少年というかウブだった憶えがあります。まぁナンパイは非行少年というわけではなさそうだけど。

 

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こんな感じで以上tier Sのアニメの感想でした。tierA帯以下は観ている作品全て観終わってからまとめて載せます。