今さらながら『ひろがるスカイ!プリキュア』総括

 ひろがるスカイ!プリキュアが無事終了しました。ていうか、最終話観てすぐ投稿すべきなのにダラダラしてたら新作プリキュア3話まで来てました。しかし新作の方はいったん置いといて、本記事では僕が2023秋アニメとした34話〜50話の感想と1年間通してのまとめを書こうと思います。勿論ネタバレだらけなので注意してください。

以下、感想:

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34〜50話感想

 前半と後半でハッキリと内容が分かれていました。43話までは順当に前クールまでの続きという感じで、3クール目後半から出てきた新たな敵スキアヘッドを相手にしつつプリキュア達のドラマに重点を置き、キャラクターどうしの関係性や成長をメインで見せていました。ここにきてバッタモンダーが人間に擬態した姿で戻ってきてましろと絡みだすとは思いませんでした。状態的には仮面ライダーで悪役ライダーとして出ていたキャラがこっちサイドに来た途端お調子者にキャラ崩壊しちゃうみたいな構図ですが、バッタモンダーは別にコチラサイドというよりかは彼本人がましろと関わることで改心というか人間的な成長をする流れでした。彼みたいな精神が子どものまま大人になってしまい周りについていけなくて劣等感を持って周りを卑下することでしか自分を保てない人はそれなりにいると思います。そういった大きなお兄さんたちもましろさんは救済(すく)ってくれるわけですね。ただ41,43話とほぼ連続してバッタモンダー・ましろ回が展開されていてソラ×ましろの熱狂的なオタクさんたちはヒヤヒヤしていたかもしれません(笑)

 44話から話が一気に展開してきて最終章に突入します。アンダーグ帝国の女王カイゼリンが登場し、圧倒的な力を見せつけ、トドメという瞬間にクルニクルンの力が発動、ソラましろエルちゃんが過去に飛ばされ、過去編が開幕するわけです。大体どのプリキュアも43話44話あたりから最終章に入りラスボスがどういう考えをしているのかとかを過去編展開させてくるので本作も例に漏れずではあるのですが、ここ数年のプリキュアよりも桁違いに唐突というか、急に感じました。というのも、ここまでひろプリってソラを始めとしたプリキュアサイドに焦点を全振りしていて敵サイドの幹部会議みたいなシーンやラスボスを仄めかすシーン(トロプリでいうところの後回しの魔女が喋るシーンとか)がまったく無いため唐突だったように感じたのだと思います。そうはいっても他作品も概ねそうなのにどうしてこんな違和感を感じたのだろうか。伝説のプリキュアとカイゼリンの過去編からの記憶を改竄されていたまでのくだりはその辺のオタク向けアニメでも通用するレベルの展開で凄まじかったです。最終話一歩前にしてキュアスカイがアンダーグエナジーに飲まれウルトラマンティガでいうところのダークティガみたいになったのも凄かった。オタクの好きなものを全部詰め込んだ感じでしたね。

 本当にラストに全ての展開を詰め込んだ結果最終話でもバリバリバトル展開でした。ここ最近のプリキュアは最終話1個前の回でラスボス戦は終わって最終話はエピローグ全振りなことが多いのですが本作は前半ガッツリバトル。「みんなの応援が光となって集まってくる!」みたいな展開全部ウルトラマンティガのグリッターティガのくだりに見えちゃう病気が発症していました。

 で、恒例とか言っちゃいけないんですけど恒例のお別れシーンです。いや〜これ、ましろさん本人が何度もくり返し言ってますけど「トンネルを通れば会いに行ける」わけなんですよ。ヨヨさんがスカイランドとコチラの世界を結ぶゲートを作ってからというものの簡単に行き来できるようになり、別にゲートの効力が無くなるという訳でもないから一生の別れでもなんでもないんですわな。「同棲」から「半遠距離」になっただけで、なんなら会いに行く楽さでいうと遠距離ですらないです。………ていうのがずっと頭にあるせいで「別にコレ明日にでも会いに行けちゃうでしょ…」と思い全然号泣!とかにはなりませんでした。このシーンでドカ泣きしていた人がこの記事読んだら顔真っ赤にして脳沸騰してしまうかもしれんな、や、申し訳ないです。案の定翌日に来てHappy Endと相成りました。この文だけだと僕か人間の心を持たない哀しきバケモノか何かだと思われかねないので言っておきますが、まほプリスタプリトロプリはガチの大号泣してましたからね。この「別れ→再会」のフェーズは基本的にドカ泣きしてしまいます。ただそれって「もう会えない度」みたいなのに比例していて、スタプリは宇宙という物理的に距離がありすぎて会えないからあの最終話のラスト1セリフで大泣きしたわけですし、トロプリは皆が記憶を失ってしまい思い出も何もなくした状態という意味だったのに全てを思い出すところに大泣きするわけで、まほプリはもうわざわざ言うまでもないです。いやだから「すぐに会える状況」での別れは大して感情にはならなかったですということでした。

 クチャクチャ言いましたけど、しっかりハッピーエンドで終わってくれて良かったです。ラストシーンがOPのイントロとリンクした時はドカ湧きでした。こういうリンク大好き人間なので。

 

1年間の総括

 というわけでプリキュア20周年記念作品が完結したわけです。20周年という節目でありながら青キュア主人公や少年プリキュアなり成人女性プリキュアととにかく挑戦的な試みが目立ちました。とは言いつつあげはさんは18歳でギリ成人といえるか微妙くらいです。女児目線では高校生の時点で大人な気もしますがいい年こいてプリキュア視聴してクチャクチャ感想垂れてる異常成人男性の僕には全然子どもに感じます。これが22歳で仕事終わり飲酒しまくり!とかだったら成人プリキュアだと思えますが、子ども向け番組なのでモチロンそういった描写ができるわけもないですけど。男の子プリキュアとして翼くんが登場しましたが何一つとて違和感ありませんでした。というか、戦隊ヒーローの女性だったり、女性仮面ライダーだったりとが成立しているわけだから男の子プリキュアも全然アリなんだよな。次の新作では初期メンにいなさそうだけど追加戦士の一人とかで男の子出てきてもいいですよ。或いは2年に1回ペースくらいで男の子プリキュア出して最終的に毎年に持ち込んでもらっても。この成人女性×男の子(12,3歳)によりプリキュア内で濃厚なおねショタが発生して凄いことになっていましたね。初期メン4人が濃厚な百合と濃厚なおねショタからなる同人誌大盛りあがりだったが故、追加戦士というか最初からいた枠でもありましたがエルちゃん/キュアマジェスティがやや弱く感じました。設定的にはストーリーを大きく動かすマクガフィンなわけですが。でもちょいちょいおねショタのショタだった翼くんがエルちゃんにはナイトぶるのでそっち方面の展開もありました。少年が1人いるだけでこうも話が作りやすいのかと感嘆しました。

 そういえば本作は全50話とここ最近のプリキュアの中では長かったですね。最近はコロナ諸々の影響もあってか45話くらいの感覚でしたがやりきった感じありました。内容的には終盤の4クール目よりも2クール目が最もおもしろいという不思議な作品でした。オタク向けアニメばかり観てる人的には2クール目の果てしない絶望感とひたすらに前を向いていたソラちゃんの心が完全に折れる姿とそこからの立ち直りというか逆転が素晴らしいんだわ。「これ今ヒロアカ観てる?」ッテ錯覚するほど重厚な展開していました。各クールのおもしろさ順で言うと2>1>4>3という感じでした。

 この作品にドハマリしたプリキュア新規のアニメオタクさんやプリキュア1年目の女児先輩方は次のプリキュアで「なんか違う」感を憶えてしまうのだろうなと思った程度にプリキュアのフォーマットというか女児アニメ的フォーマットから外れある種オタク向けアニメっぽさが全開でした。まぁ正直女児先輩は数話でひろプリのことは記憶の片隅に追いやられ新作の虜になると思います。僕も幼少期仮面ライダー剣の後の響鬼とか、響鬼の後のカブトとか、カブトの後の電王とかの慣れない感ありましたけどものの1話で新作にドハマリしたものです。

 総括して、プリキュアという女の子向けアニメ作品において「ヒーロー」という姿をしっかり見せることができた良い作品ではあったと思います。道徳の授業というか説教じみたしょうもなさではなく「行動で道を示す」感じがとても良かったです。この作品を観て、困っている人を助けるとまではいかずとも進んで行動できるお子さんが育つことを願います。

 

おわりの言葉

 以上、『ひろがるスカイ!プリキュア』の感想でした。今現在新作のわんだふるぷりきゅあが放送されているわけですが僕はまだ1話も視聴できていません…。そろそろ観始めようかと思います。それではまた次の記事で。ありがとうございました。