2023秋アニメ感想(進撃の巨人The Final Season 完結編)

0.イントロ(挨拶と前置き)

はい。2024年、余裕で明けてしまっていました。この記事を投稿している頃には正月気分もすっかりどころか完全に抜け切ってしまい社会でセコセコやってる時期だと思います。読んでいる人的には記憶から消えかかっているかもしれませんが、2023秋アニメ(10月〜12月)の感想です…………と、いうか、『進撃の巨人 The Final Season 完結編』の感想です。

最初はいつも通りtier S, Aの中で感想を書いていたのですが、100行を越えるマジクソ大長文になってしまったため急遽別で記事を立てました。普段感想は20行程度、おもしろくとも60行程度なのですが書きたいことがたくさんあるんですな。当社比大長文です。相変わらずダラダラダラダラ少ない語彙でオタク語りしていますがご容赦ください。一応話の流れはこんな感じです:

 

1.Tier

「2023秋感想」という記事ですが、前編からの感想です。前編は2023冬の作品ですが、わざと寝かせて「まとめて観たほうがおもしろいに決まっとるだろ、まとめて観るぞ〜!」と息巻いていたため前編後編合わせて、つまり88話〜の感想です。先に書いておきますと余裕でTier Sです。いや、どう考えてもコイツが一番おもしろいに決まってるじゃないですか。これ観る直前までTVAでは呪術が1位かなと思っていましたが進撃の巨人を観てしまうと余裕で霞みました。それでは本編に入ります。

以下、ネタバレだらけ(視聴してから読んでください):

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2.前編

僕は原作既読なので、正直ストーリーは全部知っているのにどうしてここまでおもしろいんだと。最初から最後までドカ湧きで鳥肌立ちまくりでした。オスカーが必要ですよ。さて、前編は地ならしが発動してからの最終決戦でまさしく「完結編」といったところ。原作第一話の「いってらっしゃい」のくだりアニメ1期ではカットされていたのどうするのかなと思っていたら開幕でやってきましたね。でもやはりアニメ1話でやってたら特大伏線回収に絶叫どころじゃなかったでしょうけどWITもアレが回収されるとは思わなんだ、仕方ないです。一般に週刊とか月間連載の漫画って、原作でノリで出したけど結局回収しないまんま完結する伏線が多々あって、アニメ化に際しても当時一向に回収される気配なかったしまだあの時点では原作も大序盤だったのでまぁそのノリだろうとカットしたんだろうと推測できます。

地味にエレンが移民の子どもを助けて子どもに向かってごめんなさいと泣きながら謝るシーン大好きなんですよね。地ならしで人々が踏み潰される様は、作品の一貫したテーマであるところの"世界は残酷で美しい"を感じさせます。ハンジさんが皆を飛び立たせるために特攻して死んでいく様もその後目が覚めてエルヴィンやモブリットと再会するところも美しくて、登場人物が死んで哀しいとかとは別の何かから涙が溢れました。そうそう、ここでリヴァイが引き止めることなく初めて「心臓を捧げよ」と放ったのも美しいんですよ。リヴァイ兵長は誰よりも強い分仲間が死んでいく様を誰よりも見てきたわけで、冷徹に振る舞っていますが人一倍優しくて本当は仲間に死んでほしくなんかないわけで、それでもハンジや、3期の時のエルヴィンにだって別れを告げるんですわな。込み上げてくるものがあります。さて、地ならしを止めるべく国連軍みたいなのが最後の攻撃に出るもエレンから湧いてきた獣の巨人によって一撃されるのも感動しました。この言い方するとサイコ中二野郎みたいですけど、俗に言う"感動"ではなく言葉通りの意味というか、魂が揺らされる感じです。後から書き足してて思いましたが、「鳥肌が立つ」とは正しくこのことです。

 

3.余談(終尾の巨人って…)

エレンってあんなデカい状態で骨から頭ぶら下がっているみたいになってるけど本人はどうやって動いているんだ?と原作読んでいたときから疑問に思っていましたが普通に脚あって笑いました。原作にアレあったっけ?

 

4.最終決戦から決着まで

そんなことは置いといて最終決戦もとにかくアツかったです。復活怪獣(巨人)総攻撃とかかつて仲間だった巨人が味方についてくるのとかこれウルトラマンの最終章観てる?と錯覚します。てかリヴァイ兵長指吹き飛んでブレード握るのも怪しそうな素振りしていたのにそれでもその辺の兵士の比じゃないくらい強いのなんなんだよ、何一つとて足引っ張らないぞこの男。この戦闘シーン諸々、これまでの1期からのBGMモリモリ使われていてサントラを覚えている側からするとそこでもドカ湧きしてしまうわけです。

ひとまず全てが終わったように見えた後あのハルキゲニアみたいなやつが巨人化のガスを噴出している時パラディ島側だけ全てを察していてジャンとコニーはここで死ぬという覚悟を決めていて、それを受け入れられないで喚くピークちゃんの対比もいい。戦いの決着は巨人化そのものを消滅させるというかなりのパワースタイルでしたが、こういうのでいいよが全面に出ていました。調査兵団だけでも100年前から数えて何万もの心臓を捧げてきて、ついに結末を迎えたわけです。ネタバラシというか、決戦前に皆と"道"で話していたことが判明し、アルミンとの会話だけ視聴者には見せていましたけど他の皆との会話もBDとかで作って欲しいですね。諫山先生特に考えていないのでしょうか。

 

5.配信版と放送版の差異:ラストシーンについて

僕これdアニメストアで視聴したんですけど、dアでは普通のTVシリーズのようにOP/ED/次回予告があって24分ごとに区切られている「配信版」と実際にテレビで放送された「放送版」の2種類あってとりあえず配信版を観ました。すると最後はミカサがエレンへ「マフラーを巻いてくれてありがとう」というシーンでThe Endとなりアレ?と困惑したわけです。多分原作未読の人はこれで綺麗に完結していてなんて素晴らしいアニメなんだ!と感嘆していると思いますし、原作も雑誌掲載時はここで終わっていたのですが、「そうじゃないよな?」と。そこで放送版も眺めてみたのですが放送版のラストはエンドロールからしっかりあの「絶対に綺麗サッパリに終わらせてやらんからな?」という意思を感じさせるエピローグがありました。先ほども書きましたが、この作品は相手が誰になろうとも一貫して「世界は残酷で美しい」というテーマがあるわけです。「結局、エレンが人類の8割を踏み潰しても、巨人の力をこの世から消しても、それはただの時間稼ぎで人間は争って自滅する愚かな生き物なわけですよ、それでも、この世界は美しい」というのを見せつけてくるラストです。こっちもこっちで感動するんですよね。最近自分、お涙頂戴の感動はモチロンのこと作品のテーマが全面に来る美しさみたいなのに心揺らされると涙が出てしまうんですよね。情緒不安定とかじゃないんですけど、自然と涙が出る鳥肌モンのThe Endです。わざとラストシーンを配信版と放送版で変えたんだけど思いますし、良い試みだと思います。僕みたいに後から観る人はぜひ配信版を視聴して綺麗にまとめたな〜と思った後で放送版のラスト10分くらいだけでも観てほしいですね。原作未読でアニメだけの人なんか特に。じゃあ最初から放送版だけでいいだろという意見もありますがそうじゃないんですよね。一回綺麗な終わり方も観た上で…ってのが味がある。そういえば話全然違うけど、なんかあのマフラー巻いてくれて…の方のラストシーン、挿入歌が茅原実里さんっぽい声質していてミカサのCVが石川由依さんなのも相まってコレヴァイオレット・エヴァーガーデンのラスト?と錯覚しました。エイミーとかみちしるべぶりが凄かった。ラストシーンもそうだし放送版で聴くことがなかった完結編のOP/EDも新規映像付きで聴けて配信版オススメですよ!曲も素晴らしいんだから。配信版(各話版)のOP/EDのYouTubeリンク置いときます、本当にOPとED曲も映像も素晴らしすぎて鳥肌凄くて泣くんだから。

OP↓

https://youtu.be/d6qCbdXqsOs?si=y49tLBEgvu_Mjzos

ED↓

https://youtu.be/DU2KGyQgso4?si=_YUA15PUfy4Tn8QS

 

6.余談(海外の反応動画と海外視点での作品観)

度々ブログにも書いてますけど、僕海外の反応とかたまに観るんですけど、進撃はSemblance of Sanity、通称SOS brosのリアクション+考察動画を観ておりました。片方は原作既読だけどネタバレしないようにしていて、もう片方のアニメ勢の方の考察を手助けしていて観ていて楽しかったです。海外の反応見ていて気づきましたけど海外は人種の坩堝でありアメリカ等海外の人の方がこのエルディア人がどうとかマーレ人がどうとか過去の過ちがどうとかを真剣にみているかも。日本は基本的に日本人しかいませんし、だからこそ外国人に対して何とも思わないんだと思いますけどヨーロッパ・アメリカは差別の下で歴史が造られたようなものですから(語弊がありすぎるかもしれい、怒られるかも)この手の話は敏感ですよね。まさしく今起きてるイスラエルどうこうとかは2000年前から続くユダヤ人問題で、まぁ諫山先生はこれをモデルにしたんだろうけど、現実の我々も直視しなければいけないことなわけです。Sos brosの最終話のリアクション動画のURL載せときます↓

https://youtu.be/ViIx-jfr7Y0?si=vDsfltmnnbji_O5k

あとYouTubeの再生リストも↓

https://youtube.com/playlist?list=PLJVzCiCh8OrTKb3nSAYkvD-QSwIsCnMK_&si=7dFxdRXh0PG7qRzi

そういえばアメリカ人とかは退役軍人のPTSDが身近な問題にあるためかFinal3話のライナーに感情移入する人がとても多かったですね。日本だと銃フェライナーとかネタにされていましたが、真剣なシーンですよ。

 

7.最後に〜2000年後の君へ〜

原作既読組の僕でもこれを越えるアニメってないんじゃね?と思えるほどおもしろかった作品でした。原作はたまに読み返すこともありましたが完結してから全く読んでないし、アニメも実はそれぞれ1回しか観ていないのに鮮明に記憶に残っています。それほど衝撃的な作品で、おそらくこのアニメは一生忘れることのない作品になると思います。エレンもただの運命の奴隷に過ぎず、自由を求めた結果自由とは程遠い行動になったわけですが、これも舞台装置としてカタルシスみたいなのを感じます。さっきも書きましたが、巨人の力がなくても我々の世界で「地ならし」は起こりうるし、誰しもが考えなければならない話ではあるんですよ。そういう意味でも単におもしろかったで済まない良い作品でした。2期放送のタイミングで1期から観始めたので観始めた当時は高校生とかだったと思います。あの時予想していた結末とは全く違うものになりましたが全然悪い意味でなく、満足です。約7年に渡り僕をここまで楽しませてくれてありがとうございました。dアでは1期2期視聴していないしこれを機に2周目入るかもしれません。

 

最後に、このブログを読んでいる2000年後の君へ。心臓を捧げよ。