アニメ映画感想3(鬼太郎誕生ゲゲゲの謎)※含ネタバレ

 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』観てきました。

 公開日当日に行ったのですがどうも書きたいことが多すぎてまとまらなくて感想が遅くなりました。結局まとまらなかったのですが。

 本記事ではこの映画の感想をネタバレモリモリで綴っていこうと思いますので、まだ観てない人はこの記事バックしてもらっていいです。今回は次の通りに書いていきます:

 前置きと称したものは本編と何一つ関係ないただの自分語りなのでアレな人は飛ばしてください。

 

以下、感想:

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前置き(自分語り)

 小学生の時にゲゲゲの鬼太郎の5期がTVで放送されていまして、そこで初めて鬼太郎というコンテンツに触れ少年の僕はドハマりしたわけです。毎週欠かさず観ていましたし、その流れで水木しげる先生の原作漫画も購入して読んでいました。そして5期鬼太郎放送4クール目くらいのタイミングで深夜のノイタミナ枠で墓場鬼太郎が放送され、そちらも視聴し鬼太郎のダークな側面にも触れより一層ハマったわけです。今思えばこの墓場鬼太郎が初めて観た深夜アニメでしたね。当時TSUTAYAではDVDではなくビデオ(VHS)のレンタルが行われていてそこで4期を全て観て、また別の機会に1〜3期のDVDを借りて観ていました。最近になってからdアニメストアで1-5期の配信があって非常に喜ばしい限りです。要するに僕は幼い頃から鬼太郎コンテンツのオタクでしたという話です。

 6期終了からかれこれ4年が経ちいよいよ鬼太郎誕生か公開され、これは公開初日に観たいと思いその日の夜に観ました。普段は水曜の安い日とかを狙うのですがこれだけ思い入れある作品だとなりふり構いません。映画館の中は思っていたよりも若い(自分と同年代〜10歳上程度)女性が多いなと驚きました。二次創作などを見ると女性のオタクがそれなりにいることは知っていたのですが本当に女性率高いと驚くものです。

 

本題(感想)

 と、いうわけで映画の感想に入ります。予告編を観る限りかなりホラーテイスト強めなのかなと思っていたのですがそんなこともなく、どちらかというと鬼太郎特有の人間の汚さを全面に出した作品で全くと言っていいほど救いの無い話で、ED入る直前くらいまで コリャ胸糞過ぎて良い気分で帰れないぞ…と感じておりました。話の大半は鬼太郎の父が原作でお馴染みの包帯グルグル巻のミイラみたいな状態になる前の話で、昭和三十一年、西暦でいうと1956年が舞台です。この時代観がめちゃくちゃ解像度高くて 汽車の中でもオフィスでもところ構わず皆ヤニ吸ってる感じとか、戦争経験者の大人が当然のようにいるのとか、あと物語の舞台となる哭倉村も昔から代々続く因習に囚われた闇深い村と村を支配する一家も時代を感じさせます。

 村で怪事件が発生する中で謎の男「ゲゲ郎」と出会うわけで当初水木とは相容れない雰囲気だったのにお互いの目的の為に協力する過程で段々と「相棒」になっていく様子がとても良かったです。ゲゲ郎と共に行動する後に水木は妖怪を認識するように成るわけで事件解決にも繋がってくるのが怪奇モノらしい。最初観てる時一連の犯人が予想外に感じられましたがもう一度よく観てみるとちゃんと気づくように描写がなされていましたな。そんな沙代さんの話ですが、要するにFate/stay night HFの間桐桜過ぎて絶叫。水木さんは真実を知ったときあまりの悍ましさにえづいていましたがまぁ無理もありません。自分も自分の彼女が(とか気になっていた女性が)実は幼い頃から祖父の慰み者になっていたとか知った暁にはどうなるかわかったもんじゃないです。吐き気を催す邪悪とは正しくこのことだと。エロ漫画とかだとこういう展開よくありますがこのリアル感の作品で出されると血の気が引く。

 後半は怒涛の展開にも程があり、一般のTVアニメだったらラスボス戦の後にラスボス戦が控えてるみたいなとんでもない構成していました。人間が生きたまま屍になっている様子は墓場鬼太郎1話の屍と同じものでしたね。これらの人間は村の人々が外から集めたものとのことで開幕の汽車のシーンにいた幼女も漏れなく屍と化してしまっています。これメンタル弱い人が観たら本当に残るものあるよ、メイドインアビス観てる時と何も気持ち変わりません。一連の事件の犯人が沙代さんだったことが判明するところで普通なら終わるでしょうけど全然ここからで、水木に隠していたことも知られ水木からも拒絶されるような態度(実際にはどうしたら良いのか直ちに判断することができず頭が真っ白になってしまっているだけに感じます)をとられ自暴自棄になった結果狂骨を召喚し盤面を全てリセットしました。このくだりめっちゃスプラッター映画よろしく血は吹き出す飛び散るで凄いものです。あの鉄パイプが眼球を貫いてパイプの先から目玉が飛び出たあと血が噴出する演出が個人的には見所です。乙米さんが本当に観ている側をイラつかせてきていたのでこの結末には満足。地下での時貞翁との最終決戦も見応えがあり、で、モチロン胸糞も悪いです。このジジイボンドルドを小物にしたみたいなノリしていてそれこそメイドインアビス観てなかったら僕のメンタルも破壊されているところでした。ここでついに岩子さんと再会するわけですが数年に渡り血を取られ続けていた結果酷い姿に変貌してしまっていて、墓場鬼太郎に登場する鬼太郎の母の姿になっているわけです。この時貞翁との決戦でゲゲ郎が水木のことを「相棒」「友」と呼んでいるのグッとくるところがあります。幾日かの付き合いなのにすっかりバディになっていて、この作品そういう意味でバディモノとして見るのも正しいわけです。トドメを刺すのが水木なのも良い。最後に人間の汚さ全開で水木を買おうとしてきた時貞に「つまんねぇな」と一蹴するのもカッコいい。水木は軍での経験もだし戦争から戻った後からも人間の汚さは嫌というほど目の当たりにしてきましたからね。最初哭倉村に来たのは自身の出世のためであったはずなのにこういう愚かな提案を直ちに切り捨てられる精神の気高さがあるわけです。

 鬼太郎ではお馴染みの霊毛ちゃんちゃんこがどのようにして生まれたのかや、ゲゲ郎がどうしてミイラみたいな姿になってしまったのか等がラストに全て詰まっていて大満足でした。水木さんはちゃんちゃんこを着て村からの脱出をしたはずですが、救助されたときにはちゃんちゃんこも岩子さんの姿もなく、なんなら水木さんは村での記憶を無くしてしまいました。これは結局のところ狂骨の瘴気にあてられてしまったのか、それとも倒れたところを後からやってきたゲゲ郎が何かしらの妖術で記憶を消したのかどうなのでしょう。岩子さんの姿が無いのは確実に後からゲゲ郎が合流して岩子さんを連れて村を出たのでしょうけど。このまま記憶を失ってしまい半バッドエンドともとれる感じでEDかと思いきやエンドロールで墓場鬼太郎一話のような内容を漫画形式で魅せてきて長年の鬼太郎ファン僕はここで号泣です。ED後でついに墓場から鬼太郎が誕生し、ゲゲ郎の死体から目玉親父も生まれ落ちて来てタイトル回収です。この終わり方はファン的にも文句なく満点なんだよなぁ。 

 この作品鬼太郎作品をちゃんと観てきた人ほど激刺さりして好きだと思います。鬼太郎って10年に一回リメイクされてその時代ごとに設定やキャラクターが少しずつ変化する作品でその違いを楽しむものでもありまして、原作とは違うじゃないかとかアニメの設定では〜とか言ってるニワカさん達はナンセンスです。でもそれで言うと墓場鬼太郎の方で水木さんは理不尽に地獄に堕ちたり雑に水神様に殺されたり(アニメ版)と不憫な役回りでしたがコチラの6期世界線の水木さんはある程度長生きしてほしいなと願います。しかし鬼太郎と離別しているためどこかしらで別れたか死んだかあるんでしょうね。6期の世界線と繋がっていると思えば鬼太郎は68年くらいには今の姿で妖怪退治をしている(妖怪アパートの回)ので10歳過ぎくらいには家を出たのでしょうか。とにもかくにもそれなりに生きて病気なり老衰なり構わないので90年代くらいまでは生きて日本を見てほしいものです。そういえば全然内容とは無関係ですけど「水木」のアクセントというか発音が鬼太郎シリーズで馴染みのある水木とは違っていましたけどこれはどのような意図なのでしょう。パンフレットとかに載ってそうだけどちょっとまだ読めていません。

 話に挙げなかった登場人物についてのちょっとした話ですが、かつての岩子さん(散々この名前使っていますがゲゲ郎の奥さんのことです、確か原作とかではそんな名前が付けられていたと思います)の姿がややツリ目でショートのスレンダー美人って感じでなんか6期ねこ娘っぽさを感じさせるのイイですよね、子が子なら親もなんだなって感じで。現状鬼太郎はウルトラ鈍感男なのでそういった類の感情を憶えるまであと40年くらいかかりそうですけど。てか6期ねこ娘ショートというか後ろでお団子にしてるんだった。あと、チョコチョコ出てくる「ねずみの」っていうか若い頃のねずみ男も良い味出していました。ゲゲ郎は旧くから顔見知りっぽいので彼は若い時からずっと金儲けをしかけて失敗してを繰り返していたんでしょうね。これ6期ベースの鬼太郎が70歳なのはいいですけど、ねずみ男は何歳くらいなのでしょうね、90~95歳とかでしょうか。一応昔300年風呂に入ってないとかそういう設定はありましたけど、このねずみ男は割と清潔感あるな。

入場特典

 視聴してから開封してくださいとあった入場特典はこれ(↓)でした。そりゃあ開けられないわと納得と感嘆。映画を観てからこれ見ると涙出ますよ。

あまりにも感極まった結果公開日に一度映画を観た5日後にもう一回観に行っていました。二回観ても全然飽きることなく楽しめました。多分円盤も買います。

 

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 以上、『鬼太郎誕生』の感想でした。自分の人生の一部とも言える作品のため感情が溢れに溢れてしまい全然まとまらない感想になってしまったな。これも2023秋アニメという枠で、秋アニメの感想を投稿するときにまた載せます。その時また思うことがあったら追記しようなと思います。tierは余裕でSです。ではまた次のアニメ感想で。君の後ろに黒い影────